オンライン学習サービス

中長期成長戦略

中長期成長戦略
経営管理の定義を語る井上 伸也氏

第7回記者会見要旨:令和4年 会議結果

本日、第8回新しい資本主義実現会議を開催いたしました。
冒頭、クリーンエネルギー戦略などについて、萩生田経産大臣、山口環境大臣から報告があり、その後、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画案を取りまとめた主な内容は以下のとおりです。
人への投資については、今年の春闘においては低下してきている賃金引き上げの水準が反転いたしました。さらに、賃金の引き上げを実現するためにも、成長分野への円滑な労働移動により、スキルアップや人材育成策の拡充を図る。
また、本年末に総合的な資産所得倍増プランを策定する。NISAの抜本的な改革や、高齢者に向けたiDeCoの改革など、資産形成を行いやすい環境整備を行う。
また、スタートアップについて、5年で10倍増を視野に、5か年計画を本年末に策定する。既存企業の事業再構築を進めるため、債務の減額等を図る事業再構築法制を国会に提出する。フリーランスの形態で仕事をされている方のための取引適正化法制も早期に国会に提出する。
社会的課題の解決としては、マルチステークホルダー型の企業社会を推進するため、民間で公的役割を担う新たな法人形態について、必要性の有無も含めて検討する場を設ける。
加えて、公正取引委員会のアドボカシー機能の強化を図る。
気候変動問題の解決と、経済成長の実現に向けて、今後10年間に、官民で150兆円超の投資を先導するため、GX実行会議を設置する。 中長期成長戦略
必要な政府資金の選考調達に関する一体的検討や、民間投資への支援内容も含め、本年中に、今後10年のロードマップを通して取りまとめる。
デジタル田園都市国家構想を推進するため、光ファイバーや5Gなどのインフラ整備を図るとともに、デジタル技術の実装のため、地域協議会を作り、デジタル田園都市国家構想実現ファンドの創設を進める。
これらの政策を実行するため、基金等を活用して、予算単年度主義の弊害を是正するとともに、その将来にわたる効果も見据えて、税制改正を行う。
岸田総理からは、机上だけでは解決できない外部性の大きい社会的課題について、この課題をエネルギー源と捉え、新たな成長を図る。
与党とも調整を進め、来月上旬の閣議決定に向け、私を中心に取りまとめるようにとの発言がございました。
続きまして、経済財政諮問会議の概要について御報告します。
本日は、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」の原案について議論を行いました。
本年の骨太方針は、総理から御発言があったとおり、資本主義をより強靱で持続可能なものにバージョンアップするため、官民が協働して、様々な社会課題の解決に向けた重点的・計画的な投資と改革を大胆に実行することで、その解決と経済成長を同時に達成し、「成長と分配の好循環」を実現していく、という方向性を打ち出しています。
その上で、引き続き、機能的なマクロ経済運営を行いつつ、国際環境の変化に応じた外交・安全保障などの戦略的な対応や、防災・減災・国土強靱化といった取組を進めること、経済社会をより強靱で持続可能なものにするための中長期の経済財政運営の在り方、来年度予算編成において、本年及びこれまでの骨太方針に基づき、経済・財政一体改革を着実に推進することなど、岸田内閣の経済財政運営と改革の全体像をお示ししています。今後、与党の御意見を伺い、次回の諮問会議で骨太方針を取りまとめる予定です。
総理からの締めくくり発言については、お聞きいただいたとおりです。詳細については、後ほど事務方から御説明をさせていただきます。

2.質疑応答


(答)「成長と分配の好循環」に関しては、最初、分配と成長をある程度分けて、どういう戦略を練っていくかを議論していましたが、岸田内閣の新しい資本主義は、まさに、分配も含めた社会的な課題を解決するための、成長のエンジンに変えていくのが主でございますので、すなわちそれは分配でもあり成長でもあります。
それを分けることはできないということに、議論を深める中でなりまして、何をやらなくてはいけないかという項目について述べるということでまとめさせていただきました。
ですから、一つ一つの項目を見ると、分配の部分もあるし、成長の部分もあります。それらがぐるぐると好循環になるためにはどうすれば良いかという視点で物事が書かれているとご御理解いただければと思います。
それと、全体としてどういう仕上がりかという話でありますが、これはむしろ、今日発表いたしましたので、皆さま方からしっかりと正しいご批判を頂かなければいけないと思いますが、我々としては、できるだけ明確に岸田政権としてやらなくてはいけないことを、今までも御説明してきた、ある意味ばらばらにというか、各論で御説明してきたことを、一つにまとめたという位置付けだと思っておりますので、それが全体としてなるほどと理解していただける方向に進むと良いと思っております。


(答)よくよく後で読み込んでいただきますと、骨太の第5章に、2021年の骨太方針を引っ張ってある記述があります。そこに財政のことをしっかりバランスを取るというのが2021年の骨太の中に入っており、それを引いていますから、そこの姿勢というものは、特に三か年度、22年度、23年度、24年度と、21年の段階でもう決めていますので、それに従って行っていくということなので、そこは後退しているということはございません。そのラインで行くということです。
それと2025年度のプライマリーバランスの黒字が等々明示していないというのは、今回新しいものではないということです。だから当然やらなくてはいけない、方針を変えていないわけですから、当然やっていくということですが、今回は大分新しい資本主義も含めて、新しい項目が相当ありましたから、あえて今までの既定路線のものを重ねて書くことはしていないということだけで、何か財政健全化に対して、方針を変えたわけでもありませんし、後退させたということでもないと理解していただければと思います。
検証は、それこそ経済財政諮問会議でこれまで累次にわたってやってまいりました。ですから当然、ある意味ルーティンの営みとしてやってきたことなので、今年も来年も、当然検証というのはその場を使ってしっかりやっていくことになります。


(答)これは前の質問にもお答えしたとおりですが、最初は分配戦略と成長戦略とを分けて整理しようかということで議論を始めましたが、分かりやすい例を言うと、「人への投資」を考えた時に、人への投資というのは、今まではコストとして、分配の分野になるのでしょう。特に賃金という話になればそうなります。しかしそれを今度、我々としては投資として捉える。そうすると分配戦略でもあり、実は成長戦略でもあるということになるわけです。
ですから人に投資をすれば、当然それで利益を生む存在になっていくということですから、そこでぐるぐる回り始めて、分配と成長というものが分けられないということなので、一つ一つの項目ごとに人への投資や、スタートアップ、科学技術イノベーションという形で置いたわけです。ですから、それぞれの項目の中に、分配に当たる部分もあれば、成長に当たる部分もある。しかもそれは、どちらと分けられない部分もいっぱいあるということなので、そういう分け方をあえて今回はしなかったということです。
ですから、成長もやるし、分配もやるしというのが、この新しい資本主義のコンセプトなので、そうご御理解いただくのがいいのではないかと思います。


(答)これも正しいご批判を皆さんから頂かなければいけないと思いますが、ずっと申し上げているように、岸田内閣における新しい資本主義のコンセプトは、先ほども申し上げたように、社会的な課題として思われていたものを、それを成長のエンジンに変えていくと。 しかもそれを民間だけにやっていただくのではなくて、官と民が共同してやる。さらには、人を通してやる。この3点ぐらいが特徴的だと思います。
ですから、人への投資は、これまでの成長戦略の中ではばらばらには入っていましたが、1丁目1番地に人への投資を持ってきたのは、やはり今までと違うと思いますし、だからこそ、人に投資するというものの中のシンボリックなものとして、スタートアップというのがまた太い柱で入っているわけです。
これも第二創業期を目指すというのは、もちろん今までの成長戦略の中にも散りばめられていましたが、それを一つにまとめて、まさにそれで5か年計画を作り、第二創業期を作っていくということですから、その辺りを見ても、今までと相当変わっているかなという感じを私自身は持ちますが、それがどう見えるかはやはり、皆さんから見た時にどう見えるかというのも大事だと思いますので、前と何が違うのかということは、当然説明責任を果たさなくてはいけないと思いますが、前と違わなくてはいけないとは思っていないです。
やらなくてはいけないことは、前にやらなくてはいけなかったことは今でもやらなくてはいけないことは当然ありますから、それをどういう視点で、どういう立て付けでやろうとしているのかというところに新しさが見えれば、私はそれで良いと思います。


(答)タイトなスケジュールだというのはそのとおりだと思いますが、しかし拙速かと言われると、そうではないと思います。我々もう2年半にわたってこのコロナと戦い続けていますから、当然相当な知見がたまっていますし、また日々検証を続けながら今日があるものですから、その蓄積も含めて、もう議論する題材はそこに用意されていると。
それにしたがって、総理から司令塔機能の強化をどうするかという話と、感染症法上の取り扱いをどうするかという話、医療提供体制をどうするかという、この3点を主に6月を目途にまとめてくれと我々は指示を受けていますから、そのことについて、きちんとお示しをしていくという作業を今議論としてはしています。
それとはちょっと分けてという言い方は変ですが、コロナに対する検証あるいはこれから何をやっていくかということは、この頃流行のアジャイルということだと思いますが、柔軟にずっと検証し続けていかなければいけないことですし、検証した結果として、科学的な知見に基づいて何か変えなくてはいけないということがあれば、まさにアジャイルに、柔軟にそれを変えていかなければならないわけです。そうではないと感染症対策できませんので。
ですから、総理からご指示のあったものに対して回答を出すという意味で、今議論が進められていますから、それにはタイトかもしれませんが、十分な材料と、リソース、時間をかけてやっていただいているという認識です。


(答)時期は様々あると思いますが、私の理解では、昨年の11月の段階で、それまでデルタ株までのものを含めて、全体像としてどのような対処を、新型コロナウイルス感染症に対してどのように対処していかなくてはいけないかということは、全体像としてお示しをして、その全体像に基づいて、我々日々オペレーションしてきて今があるわけです。
その時に、そのタイミングではちょっとまだまとめられないという、要するに中長期的な課題というのがある。それが今言った三つだという整理でした。
ですから、それは少し時間をかけてやりましょうと。その当時のところから約半年というと6月ということになりますから、それぐらいのタイムスケジュールでということになったと思います。

3.林内閣府政策統括官(経済財政運営担当)による追加説明

令和4年第7回経済財政諮問会議について概要を報告いたします。
今回は、先ほど山際大臣から御紹介がありましたように、一つ目の議題で、骨太方針に関してです。私から概要を説明した後で、各議員から御発言がありました。
金子総務大臣です。資料2に関する地財審資料についての御説明で、「地方税財政改革の方向」として、社会保障関係費の増加をはじめとする財政需要を適切に地方財政計画に計上し、一般財源総額を安定的に確保すべきであること。「活力ある持続可能な地域社会に届けた取組」として、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、自治体が地域の実情に応じて取り組めるよう、地方財政措置を講じるとともに、マイナンバーカードの一層の普及に向けた取組を進める必要があることなどとなっている。こうした意見を十分に踏まえた上で、基本方針の策定を行っていただきたいという御発言でした。
萩生田経産大臣です。長期的な日本経済の低迷から脱却するため、グリーン、デジタルなどの社会課題解決分野で大胆に成長投資を拡大するとともに、人材、スタートアップなど経済社会システム基盤の組み替えを進める。こうした考えの下で、クリーンエネルギー戦略中間整理に基づき、今後10年間150兆円超の投資を実現するためのロードマップを年内に取りまとめる。日米首脳での合意に基づき、先端半導体基盤の拡充・人材育成に加え、2020年代後半に次世代半導体の設計・製造基盤を確立する。人への投資や学び直し成果を活用したキャリアアップや兼業・副業の促進などに取り組む。才能ある人材の発掘・育成や、国内外のベンチャーキャピタルへの公的出資の拡充などを行う。こうした政策を速やかに実行に移していくという御発言でした。
鈴木財務大臣でございます。本日示された「原案」においては、財政健全化の「旗」を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む。官民連携の下、重点分野への投資を必要な財源を確保しつつ推進する。令和5年度予算において、本方針及び骨太方針2021に基づき、経済・財政一体改革を着実に推進するなどと記載されている。
また、前回の会議で御紹介した財政制度等審議会の建議の内容もしっかりと反映されており、取りまとめの御尽力に感謝申し上げる。
課題解決と経済成長を同時に実現しながら、経済社会を強靱で持続可能なものに変革する新しい資本主義を起動するため、本方針に基づき、我が国が直面する課題に対して責任を持って取り組んでまいりたいという御発言でした。
民間議員からです。GX、DXの推進、人への投資など、財政健全化に留意しつつ、予算措置を含めた重点投資のロードマップの取組を進めてもらいたい。こうした観点から3点述べる。
1点目は安全保障。ロシアのウクライナ侵攻など、安全保障の重要性に対する認識が高まっている。国の安全保障だけでなく、経済安全保障もエネルギーも食料も重要。エネルギーについては国産エネルギーの確保に努めるべき。再生可能エネルギーは変動が大きい。現実的で着実な取組が必要。原子力は、再稼働はもちろん、運転の長期化も必要。将来的には核融合の開発も急がれる。
2点目は自由貿易の推進。自由貿易は我が国だけでなく、世界の繁栄につながる。現下の厳しい国際情勢の下では、安全保障の観点から、Like-Minded Countryとの協調が求められる。
3点目は科学技術立国。成長の源泉は自由貿易と科学技術・イノベーションである。第6期科学技術基本計画を踏まえ、戦略的に重要な分野の取組を進めるべきだという御指摘でした。
別の民間議員です。1点目は対日投資について。ダボス会議で中国ではなく、日本へ新たに投資を行いたいという企業が多かった。官民挙げて日本にお金を呼び込む必要がある。高い教育水準やインフラ、政治的安定などが評価されている。このチャンスをきちんと活かし、シンガポール等の他国に負けないような投資環境を作っていくことが重要。外資系企業への抵抗感を少なくするべく、SDGsの推進やダイバーシティの促進を進めるほか、外国語教育や労働力の円滑な移動を進める必要がある。
2点目は安全保障について。食料の安全保障を確保することが必要であり、生産性の拡大に努めるべき。みどりの食料システム戦略についてもしっかりと進める必要がある。農業も重要だという御発言でした。
別の民間議員です。学び直し、人への投資について。現状は雇用保険の被保険者かどうかで受けられる制度に違いがある。国民全体の安心と意欲を高めるには、誰もがスキルアップできることが重要。あと、財政健全化の旗を下ろさず、その決意とコミットメントを示していくことが重要。健全な財政は将来の国民の安心の基盤である。そのための道筋をつけることが大事。
単年度主義の弊害是正について、中長期のプランを持つことが大事。企業でも中期経営計画をつくるのが当たり前。その点では、国の財政も中期経営計画的な視点でプランをつくっていくことが重要。骨太方針は本来そういうものであり、その点で重要な分野に柱が刺さってきたと思うという御指摘でした。
別の民間議員です。3点ございました。1点目はコロナ対策の検証について。コロナ対策で投じた公金等がいつどのように使われ、どのように効果が上がったのかを検証する必要がある。それらの検証なしにワイズスペンディングというのは達成できない。
2点目はデータに関する環境整備について。医療をはじめとして様々な分野でデータ環境が整備されていないことが問題。国と地方との間や省庁間等の一気通貫したデータの整備が必要。
3点目は財政健全化について。経産大臣からも発言のあった150兆円の投資等で市場が盛り上がりつつあるが、まだ積極的な投資を行うという話は聞こえてこない。サステナブルファイナンスを含め、どのように投資を増やしていくかという観点を持つ必要があるという御指摘でした。
最後に、総理から御発言がございましたが、お聞きになったとおりです。

成長ベンチャー社長の右腕のための成長戦略〜プロシェアリングで経営管理・新規事業・M&Aを効率的に進める方法〜

成長ベンチャー社長の右腕のための成長戦略〜プロシェアリングで経営管理・新規事業・M&Aを効率的に進める方法〜

経営管理の定義を語る井上 伸也氏

IPOはプロフェッショナルと一緒に進めるのがスタンダード

新規事業|経営戦略との整合性を確認し市場調査をするまでが右腕のミッション

井上:経営戦略との整合性のチェックや、市場調査やリサーチまでは経営企画がやっているケースがあると思います。私は個人的にプロダクトマネジメントも好きなので、コンセプト設計やMVP(Minimum Viable Productの略)の開発もPM/新規事業責任者と一緒に推進する場合もあります。そこから先は新規事業の責任者に事業計画の策定を依頼する形でバトンを渡したり、社内での予算獲得をする必要があります。その上で社内承認が取れれば事業化のサポートですね。各社経営企画の関わり方に濃淡はあると思いますが、基本的には立ち上げ手前の市場調査までの企画フェーズを専門的に行うケースが多いのではないでしょうか。

新規事業の責任者は社長がいい?担当者がいい?の問いにコメントする井上さん

M&A|CFO直下で進めるのが失敗の典型?

出典|M&Aとは?企業買収の方法と必須となる基礎知識

出典|M&Aとは?M&Aの目的、手法、メリットと流れ【図解付き】

M&Aはビジネスのコア。事業部を交えずCFO直下で進めると失敗しやすい、と冨岡氏

プロ人材が紹介する、3テーマにまつわる事例

経営管理|Fintech企業と識学の事例

Fintech企業の管理会計導入と予実管理体制構築

識学の最速スケジュールでのIPO達成

新規事業|D2C・Fintech・HRtech事業とインキュベーションプログラムの立ち上げ事例

リーンスタートアップライクな新規事業立ち上げ時に意識する3つのフェーズ

社内インキュベーションプログラムの立ち上げ事例

立ち上げ後に事業モデルを変更した事例

M&A|リユース事業展開企業と”事業は創って売る”がコンセプトのIdeaLink社の事例

相談して半年後に初のM&A実施に成功したリユース事業展開企業

M&A未経験会社に戦略策定から支援に入り、相談から半年でM&Aを成功させた冨岡氏

新規事業を内製で立ち上げるのか?M&Aするのか?

これからの時代の成長戦略・社長の右腕に求められるのはラーニングアジリティ

Related posts:

「人材をシェアする時代」の成長戦略とは?

優秀なメンバー集め、失敗続きではありませんか? 「一般的な正社員採用では全然応募が集まらない。」 そんな課題を「プロシェアリング」 が解決します。プロシェアリングは、雇用のコストをかけずに、ハイクラスなプロ人材を、必要な時に必要な分だけ活用する新しい人材活用モデルです。優秀な人材の確保に悩む多くの中堅企業や成長企業が導入をはじめています。

日本的な中期計画の限界

画像

1986年 東京大学経済学部卒、'91年からKellogg(ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院)に留学してMBAを取得し、慶應義塾大学大学院経営管理研究科にてPhD取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ブーズ・アンド・カンパニーなどで20年以上にわたって、戦略や組織に関わるコンサルティング・プロジェクトを多数行っている。著書に『メディア・マーケティング 進化論』(PHP研究所)、『金融マーケティング戦略』(ダイヤモンド社)など。

中期経営計画も毎年の計画に取って代わられるスピードの時代、もはや長期的展望は必要ないのだろうか。しかし、社会の構造的な変化など、大きな潮流は間違いなく存在する。5年10年といわず、30年先を考えてみることは、長期的な成長戦略を考えるうえで非常に大きな刺激となるだろう。ブーズ・アンド・カンパニーは、2040年までの世界の方向性について3つの分野、10のメガ・トレンドを見出した。本連載で全15回にわたって紹介していく。

短期化する経営計画

岸本 義之
(きしもと・よしゆき)

ブーズ・アンド・カンパニー 東京オフィス ディレクター・オブ・ストラテジー
東京大学経済学部経営学科卒業、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院(MBA)、慶応義塾大学大学院経営管理研究科博士課程修了、博士(経営学)。マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て現職。20年以上にわたり、金融機関を含む幅広いクライアントとともに、全社戦略、営業マーケティング戦略、グローバル戦略、組織改革などのプロジェクトを行ってきた。早稲田大学大学院商学研究科客員教授を兼務。主著に『メディア・マーケティング進化論』(PHP研究所)、『金融マーケティング戦略』(ダイヤモンド社)、訳書に『マネジメントの世紀』(東洋経済新報社)、『マーケティング戦略論』(ダイヤモンド社)などがある。

「2025年、ITサービス業界で世界トップ5に入る」NTTデータ本間洋社長

今回のひとこと 「2025年には、ITサービス業界において、グローバルトップ5に入ることを目指している。グローバルで信頼される企業ブランドをしっかりと確立していく」 NECや富士通の売り上げ規模を中期的に超す計画 NTTデータは、2025年度を最終年度する新中期経営計画を発表した。 2025年度の連結売上高は4兆円超、連結営業利益率は10%(4000億円)、海外EBITA率は10%を目指すほか、年間売上高50億円以上あるいは5000万ドル以上となる顧客基盤で120社の獲得を目指す。 新たな中期経営計画の起点となる2021年度の連結業績は、売上高が前年比10.1%増の2兆5519億円、受注高が前年比8.0%増の2兆4008億円、営業利益が前年比52.8%増の2126億円、税引前利益が前年比65.5%増の2158億円、当期利益が前年比86.1%増の1430億円。営業利益率は8.3%だった。 これらは、前中期経営計画の主要項目をクリアしたものであり、売上げ、利益ともに過去最高を更新。33期連続での増収も達成している。 新中期経営計画は、これをさらに拡大する成長戦略となる。4年間で売上高は1.6倍、営業利益は約2倍と、高い成長を見込む。現時点では、富士通やNECの売上げ規模を下回るが、2025年度のNECの中期経営目標の3兆5000億円を上回り、2022年度に売上収益目標で3兆7000億円を目指している富士通も、同社の次期中期経営計画の設定次第では、これと同等水準だったり、上回ったりする可能性もある。 NTTグループの統合によってシナジーを出す 意欲的な成長戦略の背景には、2022年10月に行われるビジネス向け海外事業のNTT Ltd.との事業統合がある。 グローバル通信事業を行うNTT Limited(NTT Ltd.)を、NTTから、NTTデータの傘下に移管し、同社を統括する海外事業会社を2022年10月1日に設立。NTTデータが55%、NTTが45%を出資することになる。 また、2023年7月には、NTTデータを持株会社とし、その傘下に、国内事業会社を新設。今回設立した海外事業会社とともに、エリア別の事業運営体制へと移行することになる。 事業統合後、NTTデータグループは、売上高が約3兆5000億円、従業員数は全世界で18万人の規模となる。現在、約4割の海外売上比率は、約6割に拡大する。2025年度には営業利益で300億円のシナジー効果を見込んでいるという。 NTTの澤田純社長(2022年6月下旬に会長に就任予定)は、「NTTデータから、自らの成長戦略のひとつとして、NTT Ltd.の事業統合についての提案があった。両社間で協議を進めた結果、NTTデータとNTT Ltd.中長期成長戦略 の事業を統合することを決定した。新たなNTTデータグループは、ビジネスユーザー向けグローバルデジタルカンパニーになり、NTTグループ全体の成長にもつながると考えた」と述べる。 一方で、NTTデータの本間洋社長は、「海外事業を統合することで、戦略、提供価値、コスト削減、人材の4点でメリットがある」と語る。 戦略面では、これまでの2社による連携関係から大きく踏み込み、統合による戦略の一体化を推進。「どんな業種の顧客に対して、どんなサービスを提供するのかが明確になり、同時に、Edge to 中長期成長戦略 Cloudや、Connectivityの領域での先行投資やM&Aが可能になる」とする。 顧客への提供価値では、NTTデータが持つビジネスや業務を深く理解して、高度な技術力で、システムを作り上げる『つくる力』と、NTT Ltd.が得意とする様々な企業インフラや業界インフラを支える『つなぐ力』を組み合わせたトータルサービスを提供でき、クロスセルを進化。独自性と競争優位性を持ったフルスタックでのソリューション開発を進めることができるとした。 コスト面では、IT基盤の統合やコーポレート機能の統合により、コスト削減効果を見込むという。 また、人材面ではグローバルレベルでのデジタル人財獲得を加速。「NTTデータグループのつくる力を持ったデジタル人財と、NTT Ltd.のつなぐ力を持ったデジタル人財を結集させることで、お客様への提供価値を高め、企業価値も高めたい」と述べた。 事業統合によって、データ活用ビジネスの高度化、5GおよびIoT関連ビジネスの創出および拡大などの企業の事業変革に向けた革新的サービスの創出に加え、スマート関連ビジネスの創出および拡大、IOWN技術を活用した革新的サービスのグローバル展開などにより、社会課題を解決する社会変革プラットフォームの創出に取り組むという。 積極的な成長戦略を5つの指針に集約 新中期経営戦略は、海外事業の統合を含めて、積極的な成長戦略を打ち出す内容となっている。 それを5つの戦略に集約している。 戦略1の「ITとConnectivityの融合による新たなサービスの創出」では、NTTグループとのさらになる連携強化により、Edge to Cloudのサービス提供力を強化。幅広い業界にシステムを提供。企業や業界の枠を超えた業際連携を実現し、新たな社会プラットフォームや革新的なサービスを創出する。 戦略2の「フォーサイト起点のコンサルティング力の強化」では、顧客や業界の未来を構想するインダストリーコンサルティング力と、テクノロジー起点で未来を構想するテクノロジーコンサルティング力を強化。各分野にコンサルティング専門組織を立ち上げるとともに、顧客や業界の未来(フォーサイト)を構想する方法論を整備し、その実践を支援。コンサルティング人財の育成などをサポートする機能も設置する。 戦略3の「アセットベースのビジネスモデルへの進化」においては、グローバルレベルで、NTTデータグループ内の技術、知見、経験などをアセット化し、それらを有効活用することで、顧客への提供価値を最大化する。これまでの受託SIを主体としたビジネスモデルから、自ら提案し、発信するビジネスモデルへと変革し、デジタル時代に最適化したビジネスアジリティを備えた体制へと転換するという。 戦略4の「先進技術活用力とシステム開発技術力の強化」は、技術の成熟度に応じた3つ領域における活動を推進。具体的には、メインストリーム領域では、NTTデータが強みとしている技術の活用力を磨き、グロース領域やエマージング領域の技術に関しては、将来活用される先進技術の目利きを行い、グローバルレベルでのPoCなどを実行するという。 戦略5とした打ち出した「人財・組織力の最大化」では、グローバルで最先端技術が学べる育成プログラムの導入や、多様な人財が活躍できる制度の導入、先進的な職場環境の整備に取り組むほか、グローバル企業としての本社機能の強化も行う。 NTTデータの本間社長は、「5つの戦略を支える仕組みとして、投資と成長の好循環を確立し、Global 3rd Stageに向けた事業成長を実現していく」と語る。 2025年にはITサービス業界でグローバルトップ5に入る NTTデータでは、2005年から2015年度までの10年間の取り組みを、「Global 1st Stage」とし、グローバルカバレッジの拡大に取り組んできた。また、2018年度までの「Global 2nd Stage」においては、グローバルブランドの確立を図ることを目指してきた。2019年度からは、「Midpoint to Global 3rd Stage」と位置づけ、今回の新中期経営計画によって、グローバル事業を加速。「世界中のお客様から信頼される企業を目指し、質を伴ったグローバル成長に取り組んでいる」(NTTデータの本間社長)と語る。 そして、「2025年には、ITサービス業界において、グローバルトップ5に入ることを目指す」と、高い目標を掲げる。 NTTデータの本間洋社長は、「地球環境の保全、つながるモノの拡大、消費・生活スタイルの変化など、ITやデジタルの普及により、企業活動から消費・生活スタイルまで大きく変化しており、企業が対応しなければならない課題が増え、ニーズは複雑化および多様化している。こうした社会トレンドの変化の裏にはテクノロジーの進化がある。あらゆるデータを活用したサービスの高度化が進み、新しい社会の実現に向けて、Edge to CloudをベースにしたConnectivityに関連した技術の重要性が高まっている点も見逃せない。さらに、モノや人の行動から、セキュアに情報を収集、分析し、企業や業界の枠を超えたデータ活用を行うデータドリブンな社会への期待が高まっている」と、取り巻く環境を指摘しながら、「NTTデータは、『Realizing a Sustainable Future』をテーマに、未来に向けた価値をつくり、様々な人々をテクノロジーでつなぐことで、お客様とともにサステナブルな社会を実現することを目指す。海外事業の質を伴った成長の加速、デジタル領域におけるさらなる競争力の強化、人財が成長する組織への変革、真のグローバル企業となるための本社機能の強化の4つの課題に取り組む」とする。 成長戦略を推進するNTTデータは、さらに高い頂きを目指して、より加速度を高めている。 文● 大河原克行 編集●ASCII

【特集】 コンフィデンス Research Memo(6):顧客深耕とエコシステムの確立により3~5年後に売上高100億円を目指す

Conf <日足> 「株探」多機能チャートより

2021年6月にコンフィデンスは、中期及び長期の成長戦略を策定した。中期成長戦略として「顧客深耕及び事業連携の好循環(エコシステム)確立による事業拡大」を掲げ、(1) 対象顧客の網羅・深耕、(2) 提供サービスの多様化、(3) エコシステムの確立、を推進することで、3~5年後に売上高100億円を目指している。また、長期成長戦略として「対象市場の拡大とマッチングソリューションによるデジタルエンターテイメント領域への展開」を掲げ、(1) 対象市場の拡大、(2) 受託事業の拡大による知見の蓄積、(3) マッチング範囲の拡大・高度化、を推進することで、デジタルエンターテイメント領域への展開を実現する考えだ。

1. 中期成長戦略
(1) 対象顧客の網羅・深耕
同社は、一層の顧客深耕によりクリエイターの新たな就業機会を獲得し、顧客当たり派遣人数の最大化を目指す。具体的には、開発スケジュールをヒアリングすることで将来のニーズを把握したり、同一顧客の他部門を紹介してもらうことにより新たな人材ニーズの発掘を図っていく。これらを推進することで、ゲーム業界における派遣事業者として圧倒的No.1を目指す。顧客深耕による事業拡大は確実かつ効率的な手法であることから、顧客当たり派遣人数の最大化は十分期待できると弊社では見ている。

(2) 提供サービスの多様化
従来は人材派遣事業、人材紹介事業、受託事業がそれぞれ独自で部署開拓を行っていたため、顧客ニーズを識別できず、潜在的な機会ロスが発生していた。このため、派遣事業で構築したネットワークを生かし、人材紹介・受託業務のクロスセルによりさらなる収益拡大を目指す。この結果、人材紹介事業では顧客接点が増加し魅力的な求人獲得が可能となり、受託事業では開発スケジュールを認識することで、ニーズの正確な把握や適切なタイミングでのサービス提供が可能となる。顧客との接点が増加し、サービス提供が多様化することで、顧客当たりの収益の増大を目指す。

(3) エコシステムの確立
人材派遣・人材紹介・受託メディアの各事業が相互に連携し好循環を確立・拡大することで、経営効率を高め、ゲーム業界へのサービス提供機会増大を目指す。エコシステムの確立としては、メディア事業の運営ノウハウを利用して人材派遣事業や人材紹介事業の集客増大を図るほか、未就業のクリエイターの受託案件での就業、受託案件のOJTによるクリエイターのスキルアップ、高スキルのクリエイターの就業による請求単価上昇などを推進していく。また、エコシステムの拡大としては、人材派遣事業で構築したネットワークにより、受託案件の増加や人材紹介実績の増加を見込むほか、派遣機会の増加、メディア事業の集客ノウハウを活用したゲーム会社のプロモーション支援などを推進していく。このように各事業が循環性を持つことで経営効率アップを目指す。既存のネットワークを活用することは新規開拓と比較しコスト削減が見込めることから、利益率向上が期待できると弊社では見ている。

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次
閉じる